1999年4月の1本

「2001年宇宙の旅」

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「ツァラトゥストラはかく語りき}
 
今月の4月は、スタンリーキューブリック監督が突然、亡くなられたので、追悼の意味を込めて「2001年宇宙の旅」にする事にしました。

「2001年宇宙の旅」は、スタンリー・キューブリック監督が、アーサー・C・クラーク原作をもとにして作られたものですが、実際は、短編「前哨」をもとにして脚本化されたものだそうです。
物語は、人類創世から新人類誕生まで、人類の知恵の進歩を暗示するかのように不気味に現れる謎の黒石板モノリス・・・。
その謎を解くために木星に向かったディスカバリー号の運命を描く大作です。

「2001年宇宙の旅」
1968年 140分 監督 スタンリー・キューブリッック
出演者 ケア・ダレー、ゲーリー・ロックウッド、ウィリアム・シルベスター
400万年前の太古の地球、猿人の前に謎の黒石板モノリスがあらわれ、猿人に異変が起こった。
猿人は突如として後肢で立ち上がると、道具をあやつることに目覚め、進化したのだった・・・。
西暦2001年、アメリカの月面基地近くから、木星に向かって信号を発し続けているモノリスが発見される。
その信号の謎を解くために、5人の科学者を乗せた宇宙船ディスカバリー号が木星に向かって飛び立った。

だが、長い航行の最中、コンピューターのHAL9000が乗組員たちに対して反乱を起こし、乗組員をひとりひとり殺害しはじめる。
残されたボーマン船長はHALの思考回路を停止させ、なんとか木星の軌道に踏みとどまった。

そしてHALとの戦いで4人の仲間を失ったボーマン船長の前に、巨大なモノリスが現れ、異次元のトリップに巻き込まれる・・・。
そこは人間の知識の限界をはるかに超える領域だった・・・。

「2001年宇宙の旅」は、セリフを極力排して、宇宙における人類の運命という壮大なテーマを、独創的な音響と驚異的な映像で直接感情に訴えかけた作品で、言うまでもない大傑作だと思います。
最初見たときはその意味も理解できなかったのだけれど、何故か感動したんですね。
その感動したのは何かも分からずに・・・・。
僕の感覚に直接何かが入り込んできたような感じでした。
最近では、この「2001年宇宙の旅」の意味は僕なりに、人間も宇宙にも何もかも意志があって、存在しているものだと・・・。
そして輪廻転生とか、そんな感じで受け取っています。
映像的には、キューブリック監督ならではの革新的な特殊効果によるリアルな造形は、はCG全盛の現在でも古くささを感じさせない出来で、宇宙船や内部のデザイン、色彩なども最高の出来です。
そして「2001年宇宙の旅」は、何と言っても音楽が印象的に使われています。
最初は仮の音楽だったという、「美しき青きドナウ」や、「ツァラトゥストラはかく語りき」が不思議なほど、映像にマッチしていて見ていて、とても心地良いです。
また、猿人が骨を拾い、はじめて武器として扱うことを覚え、骨を空高く振り上げるシーンとか、HAL9000が思考回路を止められる寸前に歌う「デイジー・デイジー」の歌など、印象的なシーンがたくさんあります。

スタンリー・キューブリック監督は、「大好きな映画の部屋」の「スタンリー・キューブリックのお話」で取り上げていますので、そちらをご覧になって下さい。

「2001年宇宙の旅」は、是非見ていただきたい作品です。
肩を張らずに感覚的に見る方がいいと思います。

 


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