第1話「黒いマスクの可愛いやつ」

スターリング少年は、母がミルウォーキーの病院に入院したため、父と、愛犬のハウザー、そしてカラスのポー、スカンクたちと暮らしていた。
家政婦のハケットさんが来てくれるが、毎朝の朝食は父のウィラードと交替でしなくてはならなく、今朝は、父が寝坊してしまい、スターリングも寝坊してしまい、学校にも遅刻してしまう。
放課後、友人のオスカーと釣りに出かけたけたスターリングは、森であらいぐまの母子を見つけるが、あらいぐまの母親がハンターに撃たれて、取り残された小さなあらいぐまの赤ちゃんを育てる決心をする。

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第2話「ぼくの新しい友達」

森で見つけたあらいぐまを育てることにしたスターリングは、あらいぐまの育て方が分からないので、オスカーの母親に聞きに行き、麦わらをストローのように使ってミルクを飲ませる方法を教えてもらう。
帰り道で、お菓子屋の息子のスラミーたちに、あらいぐまをくれたら道を通してやると絡まれ、スターリングは、スラミーと一対一の対決をすることになる。
二人が戦っているとき、スターリングの父が自動車で通りかかり叱られるが、あらいぐまを飼うことを許してくれた。
次の朝、スターリングは、あらいぐまの名をラスカルと付けることに決め、さっそく、庭の樫の木のほこらにすみかを作ってやる。

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第3話「友情」

ミルウォーキーで入院中の母が手術する事になり、スターリングは、父とともにミルウォーキーに行く事になる。
スターリングは留守中、家政婦のハケットさんに、犬のハウザー、カラスのポー、スカンクたちやラスカルの世話を頼むと、動物が嫌いだと断られるが、オスカーが留守中の世話をしてくれることになる。
しかし、オスカーの父親が許してくれないので、父とともにスターリングは頼みに行くが、よけいに怒らせてしまった。
スターリングは、ミルウォーキーに出かける日の朝、どうしようか困っていると、オスカーが来てくれて、父親が許してくれたと言ってくれ、安心したとたん、急に早くお母さんに会いたくなるのだった・・・。

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第4話「ミルウォーキーのお月さま」

ミルウォーキーには、長姉のセオドラが駅まで自動車で迎えに来てくれていた。
スターリングは久しぶりにお母さんに会って、ラスカルの事などいろいろ話をするのだった。
父と姉は先生から母の手術は明日だが、病気はガンの疑いがあると聞かされる。
そうとは知らないスターリングは、満月に向かってお母さんの手術がうまくいくように祈るのだった・・・。

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第5話「オスカーへの贈り物」

オスカーがラスカルやハウザーたちの世話をしている頃、ミルウォーキーでは、お母さんの手術が始まっていた。
スターリングは、お母さんのことが心配で心配でたまらなかったが、手術は何とか終わったが、先生から再発の危険性があると知らされる。
スターリングはそのことを知らぬまま、あとのことはセオドラたちに任せて、父とブレールスフォードへ帰ることになった。
家に帰ると、オスカーがスターリングの大事な釣りざおの糸を絡めてしまっていた。
スターリングは機転を利かしてオスカーに、ラスカルたちの世話をしてくれたお礼に釣りざおをあげるのだった。

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第6話「さようならスカンクたち」

スラミーはラスカルを手に入れるために、ジョーカーという犬をハウザーにけしかけた。
でも、ジョーカーはハウザーの前に出るとすっかり怯えてしまい、スカンクたちに吠え立てるばかり・・・。
ジョーカーに驚いたスカンクたちは、一斉にオナラをしてしまったのです。
ちょうどその日、教会では結婚式が行われていて、結婚式はスカンクのしたオナラのにおいで大騒ぎになってしまうのでした。
町の人たちから怒られ、お父さんからもスカンクを飼うことをやめるように言われ、スターリングは仕方なく、ウェントワースの森へスカンクたちを放すのだった。
そして、いつかラスカルも同じように悲しい別れの時が来るのだと思うのだった・・・。

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第7話「馬と馬車はどちらが速いか」

お母さんから手紙があって手術の経過が順調で、早ければ10日ほどで退院できそうだと書いてあった。
スターリングは帰ってくるお母さんを思ってすっかりうれしくなっていた。
新しもの好きのとなりのサーマンさんが自動車を買ったはいいが、乱暴な運転で
釣りに行った帰りに、自転車がパンクしたスターリングは、運良く通りがかりのコンウェイさんの馬車に乗せてもらってた。
そこへサーマンさんが自動車で通りかかり、自動車嫌いなコンウエイさんは競争を挑むが、自動車には負けてしまう。
だが、追い越していったサーマンさんの自動車はオーバーヒートして動かなくなっていた。
夜、スターリングは、ミルウォーキーへの病院へ退院するお母さん宛の最後の手紙を書くのだった。

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第8話「蛙とボクシング」

オスカーの蛙が4メートル飛ぶと言っていたら、スラミーの蛙とラスカルをかけて、ジャンプ競争する羽目になった。
スターリングは、家に帰る途中、黒人に出会った。
彼はボクサーで、マネージャーは父と友達だった。
日頃から、ラスカルを盗もうとするスラミーをやっつけるためにボクシングを習いたいと思っていたスターリングは彼にボクシングを習う。
翌日、ラスカルをかけた蛙のジャンプ競争が行われ、もしスラミーが負けたら今後、ラスカルに絶対に手を出さないと約束させた。
ジャンプ競争はオスカーの蛙がスラミーに勝ったが、悔しい彼はオスカーの蛙を踏みつけた。
許せないスターリングのパンチは見事スラミーに決まった。

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第9話「お母さんの帰宅」

スターリングはお母さんの夢を見た。
今日は、2ヶ月ぶりにお母さんがミルウォキーから帰ってくる。
スターリングは、学校から帰って、ハケットさんと一緒に家の中を掃除して急いで駅まで迎えに行った。
お母さんと一緒に駅のベンチに座って甘えるスターリング。
サーマンさんの自動車で家まで送ってもらうことになった。
家に着いたお母さんは、とても疲れていたが、ラスカルにはじめて会って喜んでくれた。
夜、スターリングは眠っていると、お母さんに額にキスされ・・・とても幸せな気持ちになった。

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第10話「はじめての探検」

カラスのポーがコンウェイさんの娘マーサからお金を取ってしまったことからスターリング は、仕方なく、お菓子屋のスラミーの父親の店へマーサを連れて行くことになった。
お店で、スラミーの父親からラスカルをお金で譲ってくれと言われて、スターリングは怒りを覚える・・・。
家に帰ると、ラスカルが自分の力で樫の木から降りようとしていた。
ラスカルは木から降りて、池の魚を捕って食べたり、家のまわりを調べまわるのだった。
お父さんからあらいぐまは、夜、行動するので逃げるかもしれないと聞いて、スターリングは心配になるのだった・・・。
朝、一番にラスカルを呼びに行くと、ラスカルはおとなしくしていて安心するのだった・・・。

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第11話「消えた角砂糖」

体も少し大きくなって、いつでも自分で自由に庭に降りて行くようになったラスカル。
生け簀の魚も上手にとって洗って食べるラスカルに感心するスターリングとオスカル。
ラスカルと一緒に食事をできるように、スターリングは子供の頃使っていた椅子を屋根裏部屋から出してきた。
彼の思ったとおりラスカルは椅子に座って行儀よくミルクを飲んだ。
ラスカルに角砂糖をあげると、いつものようにミルクで洗い出した。
解けてなくなった角砂糖に怒るラスカル・・・。
それを見てお母さんもスターリングも大笑い・・・。
お母さんと一緒にスターリングは、ハウザー、ラスカルを連れて近くに出かけた。
お母さんも元気になってスターリングもうれしかった。
夜、ラスカルは家に中に入り、角砂糖を取ろうとして、ハケットさんの手をひっかいてしまう。
ハケットさんの傷がたいしたことないことを思うスターリングだった・・・。

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第12話「本と1セント銅貨」

1学期も終わり、さぁ、明日から夏休み。
オスカルに釣りに行こうと誘うが、家の仕事が忙しいと言われ、スターリングは手伝いに行くと約束する。
家政婦のハケットさんも、都合で突然やめてしまい、新しい家政婦さんが見つかるまで、当分はお母さんが食事の支度をするようになり、スターリングも手伝うことになった。
シカゴ大学に行っている2番目の姉ジェシカも家に戻って来た。
明るく機知に富むこの姉がスターリングは大好きだった。
スターリングは動物図鑑、ラスカルは1セント銅貨をおみやげにもらったが、せっかくのおみやげを、大格闘の末、カラスのポールに取られてラスカルは大騒ぎ・・・。
仕方なくお姉さんにもう1セントもらってラスカルにあげた。
お姉さんにもらった動物図鑑に夢中になり、ラスカルとハウザーに食事をさせるのを忘れたスターリング・・・。
明日は、釣りに行こうとスターリングはミミズを取るのだった・・・。

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第13話「夏休みの第一日」

今日から夏休み・・・。
スターリングは、お母さんに好きなナマズのフライを食べさせようと、ラスカルと一緒に釣りにでかける。
秘密の釣り場を知っているのだ。
途中で、同じくナマズを狙ってきた釣り人に会い、スターリングは秘密の釣り場を知られたくなかったので、別の場所を教えてしまう。
やっとかかったナマズ・・・それは4キロもある大ナマズだった。。
帰りにソーダ水を飲んでいると、先刻の釣り人に出会い、嘘を言ったことを悟れたが、秘密の場所を教えてあげると、その人はラスカルにいちごのソーダ水をおごってくれたのだった・・・・。
家に帰ると、お母さんが倒れて、医者のゲインズ先生が来ていた。
スターリングは、「このままではお母さんが死んでしまう」と言う、先生の話を立ち聞きしてしまい、お母さんは絶対に死なないと 心の中で叫ぶのだった・・・。

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第14話「母のない子」

その日、教会の鐘は47回鳴った。
お母さんの年と同じ数だ。
お母さんが死んだ・・・。
僕の優しいお母さんの魂は天国に召された。
お葬式が済んでもハウザーは、優しかったお母さんのお墓ののそばを離れようとしない。
それを見たスターリングは、今まで堪えていた悲しみの涙があふれて、どうすることもできず、泣き崩れるのだった。
そんなスターリングの悲しみを和らげようと、セオドラはミルウォーキーの自分の家へ一緒にいこうと、お父さんとジェシカに相談する・・・。
でも、スターリングは、ここにいたいと断るのだった。
そして、セオドラがお母さんの形見の指輪がなくなっていると言いだし、カラスのポーのいる教会の鐘楼に登って見てみると、ポーの巣の中に指輪はあった。
セオドラもジェシカも家に帰ってしまい、お父さんと2人っきりになったスターリング・・・。
でも僕には可愛い、本当の友達ラスカルがいる・・・。

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第15話「アリスと友達になれたらなあ」

お母さんが天国に召されたからから1ヶ月たった・・・。
スターリングは、お母さんのお墓に毎日のように来ては、いろいろな話をするのだった。
「お母さん、こんにちは。今日もホラ、とってもいい天気だよ」と・・・。
今日は町に来た新しい駅長スティーブンソンさんの家族の話をしていた。
そこの娘とは同じ年で、スターリングは彼女と友達になれたらいいなぁと思うのだった。
スターリングはオスカーたちと釣りにでかけたが、急に雷が鳴り出し雨が降り出した。
帰ろうとしたら、森の奥で女の人の声が聞こえた。
それは、木に足を挟まれ動けないスティーブンソン家のクラリッサおばあさんだった。
オスカーと2人で助けるが、クラリッサおばあさんに、森で迷子になって助けてもらったのは、自分でなく、オスカーとスターリングだったことにしてくれと頼まれる。
クラリッサおばあさんの名誉のために、嘘をついてしまったけれど、神様は許してくれるかな・・・?
スターリングが、お母さんのお墓に来ていると、アリスがおばあさんのお礼にとジャムを届けに来た。
アリスに「友達になってね」と言われ、スターリングは大喜びするのだった。

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第16話「楽しいパーティの夜」

ある日、スターリングは糸でくちばしをぐるぐる巻きにされたカラスのポーを見つける。
その糸には、「カラスのいたずらに困っています」というクラリッサの手紙が付いていた。
スターリングは、スティーブンソン家を訪れ、ポーを飼っているのは僕だと告げる・・・。
この事件でスターリングはスティーブンソン一家と仲良しになれた
アリスのお父さんが、クラリッサおばあさんの森でのお礼にとスターリングとオスカーそれにお父さんを明日の夜のパーティーに招く。
帰りにオスカーを誘いに行くが、オスカーのお父さんは許してくれない。
オスカーが行かないのなら僕も行かないと言うスターリング・・・。
オスカーのお母さんは気にせずにパーティに行ってきなさいとオスカーを勇気づける。
スティーブンソン家でのパーティの夜・・・クラリッサおばあさんの手品、皆での合唱、オスカーの逆立ち・・・それはスターリングにとって、夜の更けるのも忘れるほど楽しいものだった。

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第17話「ラスカルの冒険」

スターリングは、まだお母さんのことが忘れられない。
今日は良い天気、湖にピクニックに出かける日だ。
スターリングとお父さんは、アリス、フロ−ラ、クラリッサおばあさんと一緒に車で出かけた。
湖の畔で、ご馳走を食べたり、フォークダンスを踊ったりみんなで楽しく過ごしていたが、ラスカルが見えなくなる・・・。
ラスカルはすぐに見つかったが、ラスカルは崖を降りて洞窟の中に入ってしまう。
ラスカルを追って中にはいると、女の人の絵が描いてあった。
誰が書いたのか、それにはお母さんと書いてあった。
きっと僕と同じお母さんを亡くした子が書いたのだろうとスターリングは思った。
湖でみんなで泳いでいると、ラスカルが子カモを襲おうとするが、親カモにやっつけられてしまう。
スターリングはこんな楽しいピクニックに連れてきてくれたお父さんに感謝するのだった・・・。

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第18話「森で会った不思議な青年」

スターリングたちは、クラリッサおばあさんが森に人が住んでいると言い、みんなでお父さんも知っているという小屋まで行ってみた。
その小屋は、お父さんの友人だったバートの小屋だった。
バートの息子カールと出会ったお父さんは、ビックリ・・・。
カールに小屋に案内されたスターリングたち・・・スターリングとアリスは今夜の食事にと生け簀に鱒を取りに行くが、生け簀の外に取り逃がしてしまう。
そんな時、ラスカルが砂浜でスッポン亀の卵を見つける。
それを卵焼きにしてみんなで楽しい晩御飯をした。
カールは今、スリーレイクのホテルでマネージャーをしていて、そこには大の仲良しの熊、鹿、鳥がたくさんいて、是非来てくれと招待される。
みんなカールがいっぺんに好きになった。
帰りの夜空に流れ星が・・・。

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第19話「ラスカルとトウモロコシ」

今年の夏もスターリングの畑にたくさんの野菜が出来た。
カゴいっぱいに摘んだサヤエンドウを町の八百屋に売りに行ったスターリングは、売ったお金で来年の種と肥料を買い、残りを貯めてカヌーを作るつもりだった。
アリスとオスカーと一緒にセントラル・パークの森に行くと、隣のマーサに会い、一緒に遊ぶことになるが・・・。
森にはスラミーたちがいて、スターリングたちは木に縛られてしまう。
アリスとマーサを助ける代わりに、ラスカルを譲れとスラミーに言われる・・。
スターリングは仕方なくラスカルを1週間貸すと約束してしまう。
実はスターリングには、ある計略があったのだ。
案の定、スターリングが口笛を吹くとラスカルはスラミーから逃げ帰ってきた。
オスカーはラスカルに戻ってきたご褒美に大好物のトウモロコシを食べさすが、そのことが大変な事件になってしまう・・・。
ラスカルは夜になると、ベッドから抜け出し、畑のトウモロコシを食べ荒らしていた。
スターリングは面倒なことになったと思うのだった・・。

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第20話「スターリングの悲しみ」

トウモロコシを気に入ったラスカルは、毎晩、近所のトウモロコシ畑を荒らしはじめた。
それも日増しにひどくなり、とうとう町の人にも知られ、怒りをかってしまう。
動物嫌いのサーマンさんたちが犯人探しに乗り出し、困ったスターリングは麻ひもでラスカルと自分の手首を結び休むが・・・ラスカルは夜になると、ひもを切りトウモロコシ畑に向かうのだった・・・。
ラスカルはいなくなったのに気づいたスターリングは急いで畑に向かった。
遠くでライフルの音が・・・。
ラスカルは無事だったが、ラスカルが犯人だと知られてしまう。
次の日、サーマンさんたちがやって来て、ラスカルを今後畑で見つけたらすぐ殺すと言われてしまう。
牧師さんにラスカルを檻の中に入れるように言われる。
ラスカルを檻になんか入れたくないスターリング・・・お父さんにも言われ、悲しくなったスターリングはラスカルを連れて夢中で家を出てしまう。
そしていつの間にかお母さんのお墓に来ていた。
アリスやオスカー・・・みんなのいないところは、寂しくって暮らせないと思うスターリング・・・。
眠ってしまったスターリングをお父さんが迎えに来てくれた。
お父さんに素直に謝るスターリング・・・このことは僕とラスカルとふたりだけの秘密にしておこう・・・。

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第21話「あぶないラスカル」

ラスカルのいたずらに頭を悩ませていたスターリングはラスカルの檻づくりをはじめた。
あのカールから手紙が来た。
カールの働くホテルにあらいぐまの親子が住み着き、ラスカルを連れて見に来て欲しいとのことだった。
スターリングは飛び上がって喜ぶのだった。
スターリングは数日後、迎えに来てくれたカールの車でアリス、フローラとラスカルを連れて出かけるが、途中、ラスカルのいたずらで車の冷却水がなくなってしてしまう。
ちょうど通りがかった車の2人の若者に乗せてもらい水を汲みに行くが、ラスカルはその車に乗ったまま車は出てしまう。
ラスカルに気づいた2人は、あとから来るスターリングたちの車に分かるように目印を付けてラスカルを木に繋いでおくが、夜も更け、ラスカルはミミズクに襲われる。
危ういところで、スターリングたちが間に合いラスカルを助けるのだった。

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第22話「森と湖と動物たち」

ホテルに着いたスターリングたちは、次の日カールの案内で近くの森に散歩に出かけた。
森の中はカールと犬のジンジャーの友達の動物たちでいっぱいでした。
ビーバー、スカンク、鹿、キツネ、オオカミ、熊、あらいぐまを口笛を吹いて呼び寄せるカールを見て、スターリングとアリスは感心してしまう。
ラスカルもあらいぐまの親子に会い大はしゃぎ・・・。
カールにどうして動物たちと仲良くなれたのか聞くと、どんな動物にも人間と同じように心があり、心が分かり合えばどんな動物とでも仲良くできると聞き、スターリングは僕とラスカルもと思うのだった。
熊がホテルの屋根に登り、いたずらをし出したので、カールは、熊の気をひくためにみんなで鬼ごっこをはじめ、見事屋根から降ろすことに成功する。
だが、夜になってもラスカルは、あらいぐまの親子と一緒に森に行ったまま帰ってこなく心配になったが、
あらいぐまの親子と一緒に戻ってくる。
カールはあらいぐまに、表の鐘を鳴らしたらクッキーをあげるというと、言ったとおりに鐘を鳴らしてくるのだった。
スターリングもラスカルにさせようと試み、言ったとおりに鳴らしたのでうれしくなるのだった・・・。

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第23話「カールの災難」

カールのホテルに来てもう1週間がたった。
ところが、熊のタンガのいたずらにカールのおじさんが怒りだし、銃を持ち出し撃ち殺すと言い出したのだった。
森に銃声が響く・・・。
カールは慌てて熊のタンガに向けたおじさんの銃先を止めようとして、カールの足に当たってしまう。
カールの怪我は大したことはなかったが、熱が出て、アリスと一緒に湖に水を汲みに行った。
おじさんも心配しているようで本当は優しい人なのだとスターリングは思った。
スターリングはおじさんに、タンガを鉄砲で撃つようなことはしないでと言うが、なかなか納得してくれない。
その夜、カールの小屋の前には森の動物たちがカールのことが心配でやってきていた。
おじさんはこれを見て、もうタンガを撃ったりしないと約束してくれた。
僕は決してこの夜のことは忘れないとスターリングは思うだった・・・。

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第24話「走れ走れ僕らのカヌー」

カールの足の怪我はだいぶ良くなりスターリングの作った松葉杖で歩けるようになるが、計画していた森と湖の探検は中止になった。
カールはスターリングに自分の力で探検に行くことを勧める。
スターリングはカールから行程の計画やテントの張り方、カヌーのこぎ方などの特訓を受け、アリス、ラスカルと一緒にカヌーで出かけた。
途中、釣りをはじめ、鱒を釣り上げスターリングが鱒をたたくとアリスが泣きだした。
目的地の砂浜に着いたのは夕方だった。
テントを張り夕食の用意をした。
その頃、迎えに来たスターリングのお父さんとクラリッサおばあさんが、ホテルに着いた。
星空のもとでキャンプファイヤーの火が消えるまでアリスと一緒に話をした。
本当に素敵な晩だった・・・。

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第25話「森で見つけた仔鹿」

キャンプの朝を迎え、朝御飯の支度にかかった。
スターリングは川で鱒釣り、アリスとラスカルは森に木の実を摘みに出かけた。
アリスたちの前に大きな雌の鹿が現れ、その鹿は何かを訴えているようで、ラスカルに着いてきてくれと言っているようだった。
ラスカルが鹿について行ったので、アリスは追って、鹿の穴の中にはいると、そこには鹿の赤ちゃんがいた。
だが、その赤ちゃんは病気らしくたつこともできないので、カヌーに乗せてカールのところに連れていくことにした。
カールに見てもらうと、仔鹿は早産で、弱っていて見つけるのが遅かったら5日も持たなかったと言った。
スターリングは親鹿のためにも、ミルクをいっぱい飲ませて早く元気にさせようと思った。
湖でアリスと泳いでいると、昨日見た熊の親子がやってきていた。
スターリングは、親熊のアニーの目を撃った人間を許せないと思うのだった。
夜、スターリングはお父さんにここで暮らして動物たちの世話したいと言ったが、お父さんは、人のためになることは他にもいろいろあるし、勉強が終わってからでも遅くはないと言われ、そう思うのだった。

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第26話「森と湖の夏まつり」

仔鹿も元気になり、スターリングはラスカルを森に返してやろうと思い出した。
スターリングはカールからカヌーを借り、お父さんと一緒に仔鹿を親鹿の元に返しに行くことになった。
スターリングはラスカルと一緒に親鹿を探しに森の中に入った。
鹿の親子の再会を見てスターリングは本当に良かったと思った。
スターリングはラスカルが鹿の親子と仲良くしているのを見て、「ラスカルさようなら」と言って、カヌーのところに走っていくのだった。
スターリングはラスカルを置いていく悲しみをこらえてカヌーを漕ぐのだった・・・。
だが、湖沿いにいつまでもスターリングのカヌーに着いて来て、カヌーめがけて飛び込んだラスカルを見てスターリングも思わず飛び込んだ。
さぁ、夜になってホテルの夏祭りが始まった。
歌や踊り、夜空には花火が上げられ、来年もここに来れるように祈るのだった。
スターリングは、町に帰ったらみんなに、ここのことを話し、自分の手でカヌーを作ろうと思った。

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第27話「首わと皮ひも」

スリーレイクの森での楽しかった思い出を胸にスターリングたちは帰ってきた。
早速、サーマンさんに会い、ラスカルを早く檻を作って入れろと言われる。
隣のコンウェイさんにも檻を作るように言われ、スターリングは心が重くなるのだった。
夜、食事の時にお父さんが家政婦さんに来てもらおうかと言ったが、スターリングは動物嫌いの人が来たらラスカルやハウザーがかわいそうだからと断った。
檻が出来るまで、ラスカルに首わと皮ひもを作ろうと思いセドウィックさんに頼んだら快く引き受けてくれた。
アリスがやってきて、お姉さんのフローラがカールを好きになったみたいでとカールが結婚するかも知れないと言ったので、そうなったら素晴らしいとスターリングは思った。
まだ夜は相当蒸し暑かったが、ラスカルと一緒に寝た。
そして夜、ラスカルが逃げ出さないように皮ひもの端をベッドにしっかり結びつけておいた。
お前のためを思って一緒に寝ているんだ、分かってくれ、ラスカル・・・お休みラスカル・・・。

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第28話「檻の中」

ラスカルの檻も完成間近となった。
スターリングはラスカルを慣らすために、ラスカル、ハウザーと一緒に檻の中で夕食を食べた。
学校が終わるまでお父さんがラスカルを見ていてくれることになった。
楽しかった夏休みが終わり新学期が始まった。
アリスも同じクラスになった。
だが、オスカーが学校に来なかったので心配になってアリスと一緒に家に行ってみた。
葉タバコの取り入れの最盛期で、今年から手伝えそうなので、自分で学校を休んでやっているとオスカーは言った。
それを聞いてスターリングは明日からオスカーを手伝いに行くと言ったので、アリスがスタリーングの代わりに家の食事の支度をすると言った。
夜になってやっと、スタ−リングはラスカルを檻に閉じこめた。
檻の中から聞こえるラスカルの声にスターリングは、飛んでいって抱きしめるのだった。
いつまでも泣き続けるのでその晩もラスカルと一緒にベッドで眠った・・・。

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第29話「星空をとぼう」

スターリングはラスカルが鉄砲で撃たれ空に飛んでいく夢を見た・・・。
夕べはラスカルを檻の中で寝かせてとても辛かった。
お父さんは仕事で2週間留守なので、毎日ご馳走を作ってラスカルを慰めてやるつもりだ。
学校へ行く途中、アリスは怪我をした白鳥のヒナを見つけ、通りがかったスラミーに捕まえてもらい学校へ持っていき、育ててみようと言い出した。
そんなアリスに先生は白鳥は渡り鳥なので怪我をなおしてあげたら、すぐに自然に帰してあげなさいと言った。
そしてスターリングがあらいぐまを飼っていると言ったら、先生はみんなで飼っているペットを教室に連れてくるように言った。
アリスが家にやってきて、ラスカルのおめかしをしてくれた。
次の日、学校でスターリングのラスカルは、可愛くてきれい好きで賢くてみんなから拍手喝采を受ける。
だが、スラミーがラスカルをゴムでぶったのでスラミーの指を噛んでしまった。
帰りに先生がペットが噛んだときは、狂犬病と疑わないといけないと言った。
そしてラスカルが噛んだのはラスカルが悪いのではないとスラミーのお父さんに言いに行くと言ってくれた。
スターリングは先生の辛い気持ちがよく分かり、今日から2週間ラスカルを檻から絶対に出さないことを約束した。
スターリングは夜空を見上げて、大熊座は僕で小熊座がラスカル・・・もしこの世からいなくなっても大熊座の僕は小熊座のラスカルを連れて何億年も空を飛び続けるんだ、とラスカルに言って聞かせた。

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第30話「ケチケチするな」

2週間が立ちラスカルに何の異常もないので、先生に見てもらうために家まで来てもらった。
先生は元気なラスカルを見て狂犬病ではないと言った。
でも、ラスカルを檻から出すのは、3日も続けて学校を休んでいるスラミーの様子を確かめてからと言った。
そこでお見舞いに果物を持っていくことにしたが、先生は何故か大きなメロンを選んだ。
そしてスターリングに贈り物をするときはケチケチしない方がいいことを教えるのだった。
スターリングは先生と一緒にスラミーの家にお見舞いに行くが、スラミーは手が痛いと言うが、先生がメロンを渡すと、喜んで痛い手で受け取った・・・・。
先生の思惑通り、スラミーの仮病が分かり、先生のケチケチしない方がいいと言うことの意味が分かった。
オスカーも明日から学校に行けると聞いてスターリングはうれしくなり、白インゲンの取り入れをアリスと一緒に手伝ってあげた。
お父さんが久しぶりに帰ってきた。
そしてカールから手紙が来ていた。
「僕は今での楽しかった夏の日々を想い出しているよ。カヌーづくりの計画は進んでいますか?」と・・・。
スターリングはぼやぼやしていられないと、カヌーづくりを明日から準備しようと思ったが、お金がほとんどなかった。
スターリングは、とにかく当たって砕けろだと思うのだった。
そして、お父さんのズボンのアイロンがけ、芝生刈り、夕食にステーキと家の手伝いを積極的にするのだった。
何とかお父さんからカヌーづくりの資金の20ドルを貸してもらったスターリングは、決して途中で投げ出さないと約束した。

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第31話「花火のあがる日」

スターリングは朝早くからカヌーを作り始めた。
今日は年に一度のお祭り、秋の収穫を祝うアイリッシュ・ピクニックのある日だ。
お祭りの花火が上がってラスカルは大騒ぎ・・。
だが、お父さんからお小遣いをもらうの忘れたが、オスカーがお金がなくても楽しむ方法があると言った。
ラスカルが風船売りの風船を割ってしまい、2セント払わなければならなくなった。
ちょうどそこにフローらが来て、お金を払ってくれ、その上、風船をラスカルにくれた。
オスカーと一緒にブルーベリー・パイを食べたり、アリス、フローラとメリ−ゴランドや観覧車に乗ったり・・・。
ところがフローラの帽子が風で飛んで木に引っかかった。
ラスカルが木に登って取ってくれ、フローラに恩返しが出来た。
オスカーのうちのカボチャが品評会で銅メダルを取ったし、隣のコンウェイさんのドニイブルックが馬車競争で一番になりとてもうれしかった。
パイ喰い競争に優勝したら5ドルがもらえるので、カヌーづくりの資金稼ぎにと出て、見事スラミーを負かして、オスカーが優勝した。
オスカーのおかげで楽しいお祭りになった。
スターリングは明るくたくましく乗り越えて行くオスカーの知恵を大いに見習いたいと思った。

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第32話「わたり鳥の帰るころ」

夏も終わりそろそろ秋の気配がしてきた。
順調にいっていたカヌーづくりが一週間もストップしていた。
それは、船縁を囲む板を曲げる作業がいくらやってもうまく行かず、スターリングは焦る一方だった。
洗濯屋のジムがやって来て、フローラがスターリングに相談事があるとのことだった。
急いでフローラに会いに行くと、それはアリスが育てている白鳥のことだった。
白鳥をそろそろ放してやらなければならないが、アリスはいやがって物置に閉じこもっていた。
スターリングはラスカルのことを話してやると、アリスは白鳥を放してやることを決心した。
みんなで湖まで行き、白鳥の群に放してやり、アリスは、必ず帰って来てと泣き叫ぶのだった。
スターリンはいつかラスカルのこうなるのだと思った。
家に帰るとオスカーからの手紙があった・・・「大ニュースだ、すぐ会いたい。オスカー」と書いてあった。
スターリングはすぐにオスカーの家に行くと、カヌーにチーズの樽の枠を使えばうまくいくと教えてくれた。
たくさんいるので、オスカーと一緒に、町のお店をまわって集めた。
夜、カヌーを作っているとお父さんも手伝ってくれた。
白鳥たちが町を飛び越え、南の空へへ飛んでいった。
白鳥たちが戻ってくる頃、ラスカルは僕のもとにいるだろうか・・・スターリングはそれを考えるとこれからの毎日が大切なものだと思った。

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第33話「ドニイブルックの勝利」

スターリングのカヌーづくりは順調に進んでいたが、カヌーづくりの資金に困っていた。
そこでアルバイトで毎年やっているジャコウネズミの毛皮取りでお金を貯めようと考えた。
ふたりでオスカーの知っている秘密の場所へ出かけた。
ところがスラミーたちが先に来ていて、ジャコウネズミの巣を見つけられてしまった。
突然、ラスカルが走り出し沼まで行くと、そこにはジャコウネズミの巣がたくさんあった。
そしてついでにクルミの木を見に行ったら、サーマンさんが木を切っていた。
みんなが草や木をもっと大切にしないとそのうちジャコウネズミもいなくなってしまうのではないかと思うのだった。
その夜、ブレイルス・フォードの町に大変な騒動が起きた。
大会の競争に優勝したドニイブルックにご機嫌のセドウィックさんとサーマンさんが喧嘩を始めたのだった。
そして、お父さんが仲裁に入ったが、馬と自動車の長距離レースで決着をつけることになった。
ハンディキャップをつけることになり、同じコースをドニイブルックは1回、自動車は1回走ることになった。
さぁ、レースの始まりだ。
レースはドニイブルックがコースに出てきた羊のために止まったため、自動車が勝ったが、コンウェイさんは、自動車と競争させた自分が大馬鹿だと思った。
町の人はもう自動車の時代と言っているが、僕らはドニイブルックは自動車に勝ったものだと思っている。

 


第34話「いじわるな手紙」

スターリングはジャコウネズミ取りの準備を始め、罠をの手入れした。
オスカーが来てジャコウネズミの巣の偵察に行ってみた。
巣も増え、今度の日曜日に行動開始する事を決めた。
毛皮屋さんのカタログが着いていないかと胸を弾ませ郵便局に行くと、カールからの手紙が来ていた。
が、そのカールからの手紙には見当違いのことばかり書いていた。
最後まで読むと何とそれはフローラ宛の手紙だった。
その頃、フローラは受け取ったカールからの手紙で、ご機嫌斜め・・・。
カールが手紙を入れ違ったことが分かって、フローラはこのことはみんなに内緒にしてと言った。
フローラはご機嫌になってスターリングとラスカルにフルーツゼリーをご馳走してくれた。
次の日郵便局に行くと、毛皮屋さんからのカタログが届いていた
だがそのカタログには罠にかかったあらいぐまの絵が載っていてスターリングはビックリして投げ出した。
そして、これからしようとしていることがどんなに恐ろしいことなのか気が付いた。
スターリングはラスカルがいる限りは絶対に罠を仕掛けたりするのはやめようと心に誓った。
オスカーが考え直せと言ったが、スターリングはカタログを暖炉で燃やすのだった。

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第35話「カールとフローラ」

カールから電報が来た。
今日の夕方にはやってくるとのことだった。
カールは途中でぬかるみにはまって動けなくなった老人の車の手助けをしていたため到着が遅れ、その上に泥まみれになった。
だが、フローラに渡すはずの結婚指輪をそこに落としていたのだった。
到着したカールは、予定を繰り上げたのは、急にヨーロッパに行くことになり、すぐにでもフローラと結婚式を挙げ、ふたりでヨーロッパに行きたいと言った。
フローラは夢のようなお話で、喜んでと言った。
明日、結婚式をすることになった。
夜、カールは結婚指輪がなくなっているのに気が付いた。
きっと、車を押すときに落としたと思い、次の朝、行ってみたが見つからなかった。
あの指輪がないと結婚式が出来ないと嘆くカール・・・。
するとお父さんが、お母さんの全快祝いに作った指輪を使ってくれとカールに渡した。
さぁ、カールとフローラの結婚式が始まった。
が、無くした指輪を老人が届けてくれ、どうしようか考えたスターリングは、指輪のアンコールを申し出て、式は無事終わった。
そしてカールとフロ−ラは幸せ一杯で出かけるのだった・・・。

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第36話「待っていた老人」

ジャコウネズミ取りをあきらめたスターリングは、オスカーの勧めでサタディ・イブニング・ポストと言う週刊誌売りのアルバイトを始め、カヌーづくりの資金集めに張り切る。
アルバイトは快調の出だしだった。
それもラスカルのおかげ・・・ラスカルはどこに行っても人気で雑誌の売れ行きも順調だった。
そんなある日、スターリングとラスカルは空き家だと思った丘の上古い一軒家に立ち寄ると、ハリスという老人がひとりでひっそりと暮らしていた。
ハリスさんは君達は1年ぶりのお客様だと言った。
娘や息子がいなくなって寂しそうにしているそのハリスさんにラスカルの鐘を鳴らす芸を見せてあげた。
喜んでくれたハリスさんは雑誌を3冊も買ってくれた。
その頃、アメリカではスペイン風邪が大流行していた。
ハリスさんの家に行くと、風邪をひいて朝から何も食べていないと言うのでスターリングは昼食を作ってあげた。
ミルクをオスカーにもらってハリスさんの家に行くと、牧師さんが来ていた。
ハリスさんは今朝方、亡くなったのだった。
ラスカルが来たらクッキーをあげてくれて言い残して・・・。
こんなことなら昨日のうちにミルクを届けに来るのだったとスターリングは泣き崩れるのだった・・・。
次の日、小学校は閉鎖され小学生の外出は禁止された。
そのため、アルバイトは一時中断しなくてはならなくなった。

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第37話「朝の乳しぼり」

今日も教会の鐘が哀しくなった。
スペイン風邪でまた誰かが死んだのだ。
町中の人の三分の一の人がスペイン風邪にかかり、学校も閉鎖されたままだった。
雑誌社のアッシュさんがスターリングのお見舞いに欲しかった23色の絵の具を持ってきてくれたので、早速ラスカルをモデルに書こうとしたが、ラスカルは動き回ってかけないので、今度はハウザーを書き出したが、ラスカルがキャンバスにいたずら書きしてしまう。
ある夜、浮かない顔で帰ったお父さんは相談があるとスターリングを呼んだ。
10年がかりで築き上げたノースダゴダやモンタナの牧場が台風で全滅してしまい、その後始末のためしばらく家を空けなければならなくなったのだ。
そしてその間、フレッドおじさんの所に行き生活するように言われた。
フレッドおじさんの農場に行くと、リリアンおばさんは快くスターリングを引き受けてくれた。
スターリングは、フレッドおじさんに仕事の手伝いをさせてくれといい、おばさんのランプ磨きの手伝いをした。
農場の仕事は朝4時起きだった。
そして食事、牛の乳搾り、でも、今日はうまくいかなかったが生まれて初めての経験を僕は忘れないだろう。

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第38話「素敵なおもいで」

スターリングはフレッドおじさんの家に来てから、牛の乳搾り、ニワトリの卵集め豚の餌づくり、家畜の世話も出来るようになり、汗を流して働く喜びを知った。
ある日、オスカーから手紙が来てアリスと一緒に遊びに来るとのことだった。
スターリングは翌日、心弾ませて駅まで迎えに行くと、何とオスカーはハウザーも一緒に連れてきてくれたのだった。
スターリングはオスカーとアリスに農場を案内し、自分で搾った牛のミルクを飲ませたり、3人で子馬に乗ったり・・・・。
リリアンおばさんが、ハチミツをご馳走してくれた。
ハチミツはラスカルの大好物で、みんなのハチミツも全部平らげてしまうありさま・・・。
しばらくして、お父さんが久しぶりに帰ってきた。
近々、セオドラ姉さんが帰ってきてくれることになり、スターリングはお父さんと一緒に家に帰るのだった。

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第39話「忘れられた誕生日」

今日はスターリングの誕生日だった。
1週間振りで学校に行ったスタ−リングは授業が終わってから先生に、今日から12歳になったことと、おじさんの家での体験を得意げに話すのだった。
そして、久しぶりにオスカーとアリスと一緒に学校から帰っていると、お父さんが銀行から浮かない顔をして出てくるのに会った。
お父さんに今日は早く帰ってと言ったが・・・・。
ところが、ミルウォーキーから帰ってきてくれたセオドラ姉さんの車とサーマンさんの車が衝突して、大喧嘩・・・・。
神父さんの仲裁でなんとか収まったが、気の強い姉さんは腹が立って仕方ないようだ。
お姉さんが誕生日のご馳走を作ってくれることになった。
だが、スターリングの誕生日を忘れたのか、夜になってもお父さんはなかなか帰ってこなかった・・・。
お父さんはケーキを見て誕生日だと気づき、機転を利かしてスターリングにノース家の代々引き継がれていた懐中時計を渡すのだった。
そして、ヒモがお母さんの髪の毛で出来ていると聞かされたスターリングは、じっと時計を握りしめ、お母さんにどうかお父さんを守って下さいと言うのだった・・・。

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第40話「初雪の夜」

12月になり、夜は暖房がいるほど寒くなった。
詳しくは分からないがお父さんの事業の建て直しはうまくいっていないようで、この所、お父さんもモンタナの方に行ったきり帰ってこない。
ある日、スターリングが学校から帰ってくると、ラスカルの檻が空いたままになっていて、ラスカルがどこにもいなかった。
隣のマーサに聞くと、泣きだし、ラスカルが逃げ出しちゃったと・・・。
そんな時、サーマンさんが鉄砲を持って出かけた。
心配になってスターリングはアリスと一緒にサーマンさんを追っかけると・・・鉄砲を抱えて優しくラスカルを呼ぶサーマンさんがいた。
スターリングは夢中でサーマンさんが鉄砲を撃とうとしたら、鉄砲の前に立ち塞がるといい、サーマンさんを何とか追い返すのだった・・・。
そしてスターリングが家に帰ってもラスカルはまだ帰っていなかった。
心配して待ち続けるスターリングだが、そんな時、お父さんが帰ってきた。
それにラスカルも一緒だった・・・。
空から初雪が降り始めた。

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第41話「めずらしい患者」

ブレ−ルスフォードの町にもいよいよ厳しい冬がやってきた。
いつもカラスのポーと喧嘩をするラスカルが今日は何故か元気がなかった。
ラスカルにミルクや大好きな角砂糖をやってもぜんぜん食べてくれない。
どうやらラスカルは病気になったようだ。
スターリングはお医者さんに見てもらおうと思うが、けれど、困ったことにこの町には獣医がいなかった。
何もしないでいられらないスターリングは、オスカー、アリスと3人でゲイン先生に無理矢理頼みに行き、何とか見てもらった。
だが、ラスカルはなかなか良くならなかった。
次の日、姉さんは帰っていった。
オスカーとアリスがラスカルのお見舞いに来てくれたが、また雪が降り出した。
心配でラスカルのそばを離れられないスターリング・・・ソファでうとうとしているスターリングに、ラスカルが・・・自分で箱の中からでてきた。
2,3,日にてラスカルはすっかり元気になった。

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第42話「もうすぐクリスマス」

クリスマスが近づいてきた。
そして学校も明日からクリスマスの休みになる。
でもスターリングは、少し憂鬱だった・・・。
貯金がほんのの少ししかないのでクリスマスの贈り物を買うのにも足りないくらいだったから・・・。
郵便局に寄ってみると、ジェシカ姉さんから手紙が来ていた。
10ドル送ってきてくれて、ジェシカ姉さんもクリスマスに帰ってくる。
スターリングはきっとラスカルがクリスマスツリーの飾りの光る玉を見たら、大騒ぎしてめちゃくちゃにされそうなので、ツリーを檻の中に入れるつもりだった。
ジェシカ姉さんからもらったお金でお父さんに手袋を買うためにヘンリックさんの店に急いだが、もう売れてしまっていたので、クリスマスに間に合うように注文した。
スターリングは売れ残ったサタデイ・イブニング・ポストを買ってもらうために、アリスの家に行き、クラリッサおばあさんにうまく言って買ってもらえた。
クラリッサおばあさんが買ったのは、スターリングにいつか助けてあげたいと思っていたからだった。
スターリングとアリスは駅にジェシカ姉さんを迎えに行った。
スターリングはジェシカ姉さんに家に入って気に入らないことがあっても絶対に怒らないと約束してと言った。
檻の中のツリーは許してくれたが、居間でカヌーを作ることは我慢できないと言った。
でも、ラスカルを檻の中に入れていると知ってお姉さんは心から同情してくれた。
お姉さんは悪いと思ったのかその晩はカヌーについて何も言わなかった。

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第43話「すばらしい贈り物」

今日待ちに待ったクリスマス・イブ。
朝起きて窓の外を見たら一面の銀世界だった。
スターリングはお昼過ぎ、お父さんの皮の手袋をヘンリックさんの店に取りに行ったが、まだ届いてなかった。
そこで困ったスターリングはヘンリックさんと一緒に皮細工職人のギルビィさんを馬車そりで訪ねるのだった。
ギルビィさんの娘のリッチが夕べ急に熱を出して仕事が遅れたのだった。
スターリングは心配してビリーと一緒にゲイン先生を呼びに行き、隣のコンウェイさんのドニイブルックを借りて急ぐのだった。
肺炎になりかけだったが、3,4日で良くなるとのことだった。
帰りにギルビィさんがお礼に皮の袋をくれた。
クリスマス・イブの食事をしながら、スターリングはビリーの家のことを考えていた。
ビリーの家ではクリスマスをしていないのだ。
神様はどうして世の中を不公平に作ったのですか?・・とお父さんに聞くスターリング・・・。
ラスカル、ハウザーも呼んでクリスマス・プレゼントの交換時間だ。
ラスカルは大きなキャンディ、ハウザーには素敵な首輪・・・。
スターリングはお父さんから、スケート靴をもらって大喜び、ジェシカ姉さんからは・・・カヌーのキャンバスだ・・・。
スターリングは姉さんに学生なのにどうしてお金を持っているのと聞くと、ジェシカ姉さんはシカゴ・ジャーナルの「母の肖像」という小説を書いて原稿料が入ったからだった。
今日は素晴らしい贈り物をもらった。
スケート靴、カヌーのキャンバス、姉さんの書いた小説、ギルビィさんからもらった皮の袋・・・そうだこれはお父さんからもらった懐中時計を入れよう・・・。
今日のクリスマス・イブのことは一生忘れないだろう。

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第44話「氷の上の戦い」

今日も朝から家のまわりの雪かきをするスターリング・・・・。
冬になってから眠い顔ばかりしていたラスカルはこのところ、金網をゆすって出してくれと大騒ぎ。
それもそのはず、スピードの大好きなラスカルがスケートの遊びの虜になったのだ。
スターリングもクリスマス・プレゼントにもらった新しいスケート靴をはいて、アリスに滑り方のレッスンを受け見る見る上達するのだった。
ジェシカ姉さんが今日シカゴへ帰っていった。
ある日、スターリングがスケート場に行こうとすると、スラミーたちがラスカルを奪ってボール代わりに投げ出した。
ちょうどそこにオスカーがお父さんと通りかかり、スラミーたちは逃げていった。
アリスとスターリングがスケートで競争をしていると、また、スラミーたちがやってきて、いたずらをしようとした時、オスカーが雪のボールを投げ、スターリングもスラミーたちにスケートのターンで応酬、見事追い払った。
オスカーはスケートを持っていなかったので、フローラが使っていたスケート靴をあげようとしたが、オスカーは今年はソリをもっとうまくなれるようにしたいからいいと言った。
僕がオスカーだったらスケート靴をもらうのを断ったかも知れない。
オスカーはきっと来年までにスケート靴を自分で買おうとしているのだと、スターリングは思った。

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第45話「お母さんの平手打ち」

厳しい冬のある日、どす黒い雲が広がり、吹雪を呼びそうな空模様に学校は早引けとなった。
雪が降り出し吹雪になった・・・・。
家に帰ったスターリングはラスカルとハウザーを家の中に入れてやり、オスカーに手伝ってもらいカヌーづくりを始めたが、吹雪は強まり雪はどんどん積もっていった。
オスカーのお父さんが迎えに来てオスカーが帰ったあと、スターリングは仕事で出かけたお父さんのことが心配になってきた。
そのうちスターリングはソファで眠ってしまい夢を見た。
お父さんの乗った車は、吹雪の中、立ち往生してしまった。雪の中、倒れて目を閉じようとしていた。お母さん、お父さんを助けてあげて・・・。目を閉じようとしていたお父さんにお母さんは平手打ちをして起こそうとした・・・。
次の朝、となりのコンウェイさんに頼んで馬車でお父さんを探しに行ったスターリングは、雪に埋もれたお父さんの車を見つけた。
少し行くと、木の枝に布切れが・・・。
お父さんがんばって・・・神様お父さんを助けて・・・。
お父さんは凍傷もたいしたことなく無事だった。
スターリングはうれしくて涙が出てくるのだった・・・・。

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第46話「お父さんのさびしい顔」

スターリングが学校を休んだのでオスカーとアリスが家に行ってみると、スターリングのお父さんが夕べから具合が悪くなったからだった。
吹雪にあっても負けなかったお父さんだったが、疲労が重なって病気になってしまった。
スターリングはゲイン先生に当分の間はお父さんを働かせないようにと注意された。
気の強いお父さんはちょっとでも目を離すとすぐにでも動きそうだった。
アリスが看護婦兼監視役をクラリッサおばあさんに頼んでみると言った。
次の朝、早速クラリッサおばあさんが来てくれた。
スターリングがアリスと一緒に学校から帰ると、お父さんをデビッドさんが訪ねて来ていた。
心配になってお父さんの様子を見に行き、デビッドさんが何か悪い知らせでも持ってきたのと聞くと、農場を人手に渡さなくてはならなくなったと言った。
そして、最悪の事態になったと・・・。
スターリングは突然泣きだした。
何があったと心配するアリスとクラリッサおばあさん・・・。
スターリングが泣いたのはお父さんが事業の建て直しに失敗したからではなく、今まで一度もあんなな寂しそうなお父さんの姿を見たことがなかったからだった・・・。
次の日から、体の治りきらないお父さんを訪ねていろいろな人がやって来た。
そしてスターリングは、またフレッドおじさんの家に預けられることになった。

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第47話「立ちあがった仔牛」

フレッドおじさんの馬車でスターリングはおじさんの家に行った。
リリアンおばさんも温かくスターリングを迎えてくれた。
ちょうどその頃、牛のルージーのお産が近づいていた。
チャールズたちは生まれてくる赤ちゃんがメス牛でありますようにと祈るのだった。
と言うのも、オスだったら、大きくなっても役に立たないので小さいうちに殺して食べてしまうからだった。
この前来たときに振り落とされた白馬のテディを乗りこなそうと乗ったスターリング。
最初は暴れまくったが、スターリングの言うことを聞くようになって走り出したが、また、振り落とされ気を失ってしまう。
そろそろ牛のお産が始まった。
スターリングは生まれたばかりの子牛が立ち上がる姿を見て、本当にすごいと思い涙が流れそうになった。

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第48話「じゃじゃ馬ならし」

フレッドおじさんの家に来てからあっという間に10日ほど経った。
みんなが気を使ってくれたので楽しい毎日が過ごせた。
でも、お父さんのことが心配でベッドの中に入ってもなかなか眠れないこともあった。
アーネスト兄さんがわかさぎ釣りに連れていったくれた。
だが、ラスカルが池の端の方に行ったので捕まえに言ったら、氷にヒビが・・・・。
氷が割れ、危ういところでアーネストに助けられた。
その頃、オスカーとアリスは雪の家を作っていた。
スターリングがいつ頃帰ってくるか聞きに行ったら、ちょうどそこにセオドラ姉さん夫婦が帰ってきた。
お父さんは明日スターリングを迎えに行くつもりだった。
そしてオスカーとアリスはスターリングはお父さんからの迎えに来るという電報ををもらって、うれしくてなかなか眠れなかった。
お父さんの代わりにセオドラ姉さんが来てくれた。
スターリングは最後にテディを乗りこなそうとがんばり、やっと言うことを聞くようになった。
ぼくはテディに勝ったんだ。
セオドラ姉さんの話ではお父さんは破産せずにすんだらしい。
でもこれから先はどうなるか分からないが、どんな辛いことがあっても耐えて行くつもりだとスターリングは思った。

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第49話「雪の家」

久しぶりに学校に行ったスターリング。
みんなの顔が懐かしく思えた。
事業のの再建に取り組むお父さんは、家を売ってひとり遠くの農場に行くことになった。
お父さんはスターリングにミルウォーキーのセオドラ姉さんのところへ行くように言った。
お父さんと一緒に行って働き助けをしたいと思うスターリングは悔しくてしかたがなかった。
思いあまったスターリングは家を飛び出し、ラスカルと散歩に行き、林の中でオスカーに出会った。
そこにはオスカーとアリスの作った雪の家があった。
だが、アリスをつけてきたスラミーたちが雪の家を上に乗って壊し始めた。
ところがアリスがスラミーに大声で叫ぶと効果覿面、スラミーたちは退散した。
スターリング、アリス、オスカーは、スターリングがミルウォーキーに行っても必ずまた、3人で会おうと手を重ね合い約束するのだった。
家に帰ってスターリングはお父さんにミルウォーキーに行ってもいいと言った。
その夜から雨が降り始め、それは春の訪れの前ぶれでもあった。
雪も解け始め、雪の家も無惨な姿になったが、僕たちがかわした神聖な約束は決して破るまいと思った。

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第50話「カヌーの進水式」

冬の厳しい寒さの中で暮らしているときは温かい春は永久にやってこないとさえ思えるのだが、いつもと同じように春がやってきた。
そして、あと一月もすればこの町を去り、ミルウォーキーのお姉さんのところへ行く。
スターリングは一月の間にやっておかなければならないことがいくつかあった。
その一つがスカヌーを完成させることだった。
オスカーと一緒にカヌーを納屋に運んで、いよいよカヌーのキャンバス張りだ。
夜、お父さんがキャンバス張りを手伝ってくれたおかげで思ったより早く貼れた。
次の日、エナメルを塗ってやっと完成した。
そしてカヌーの進水式の日がやってきた。
やっとオスカ−とふたりでカヌーを担いで運び、川に浮かべ、カヌーは見事浮かんだ。
スターリングはラスカルと一緒に、オスカー、アリスを乗せカヌーは川を行く・・・・。
半年かかってとうとうほとんど自分の手でカヌーを作った。
カヌーはミルウォーキーに持っていけないのでオスカーにあげることにした。
少し残念だが、自分手でカヌーを作ろうとして思い立って完成させたことでスターリングは心から満足した。

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第51話「残された一週間」

ラスカルとの別れがあと1週間となった。
ある夜、ラスカルの檻の前にメスのあらいぐまがやってきた。
もし今ラスカルを檻から放したら、そのメスについて行っても仕方ないと思ったが、あと1週間はラスカルと一緒にいたいと思った。
次の朝早く、サーマンさんがやってきて、ニワトリが襲われたのでラスカルを渡せと言ってきた。
誤解は解けたが、サーマンさんは今晩から鉄砲を持って見張ると言った。
スターリングは昨日のメスのあらいぐまのことが心配だった・・・・。
今日はお父さんと一緒に学校に行き先生にお別れの挨拶に行った。
そしてアリスとオスカーと一緒に最後の釣りに行った。
何故かアリスばっかり釣れた。
とても楽しい一日だった。
そして、ラスカルをカヌーに乗せてひとりで遠くに放してやるつもりだと言った。
スターリングはミルウォーキーにはひとりで行こうと決めていた。
だってこれからは自分で出来ることは何でもひとりでやらなければならないのだから・・・。
アリスには悪かったが、ラスカルとの別れをひとりでやりたいと言ったのは実を言うとラスカルとの別れの瞬間はきっと泣いてしまうと思って女の子に見られたくないと思ったからだったのだ。
その夜、ラスカルは檻の鍵を開けてスターリングのベッドに入ってきたのだった・・・。

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第52話「別れと出発の時」

スターリングは家の壁にS.N.と彫った。
アリスがラスカルにキャンディを持ってきてくれた。
スターリングの恐れていた日がとうとうやってきた。
仲のいい友達、ラスカルとの別れの日が・・・。
ロックリバーに出て、カヌーを漕ぎ湖を目指した。
カヌーを漕ぎながらラスカルのいろいろなことを思い出すスターリング・・・。
「僕はお前と別れたくはないんだ。お前はもう一人前の大人だし、何と言っても自然の中で暮らすのが一番いいんだ。それにお嫁さんをもらって子供を作れ。」と、ラスカルに言い聞かせるスターリング・・・。
夜になり岸に近づくとあらいぐまの声がした。
ラスカルは岸に向かって泳いでいった。
スターリングは、泣きながら「さよなら、ラスカル、幸せになれよ・・・」と言って全力でカヌーをこぐのだった…。
出発の日、お父さんとスターリングはお母さんのお墓に行った。
アリスとオスカーが駅にスターリングの見送りに来て待っていた。
汽車がやってきた・・・。
ミルウォーキーで新しい生活を始めるためにひとりで出発したスターリング・・・。
この1年でたくましくなったのはみんなのおかげ、そしてラスカルの力も大きかった。
ラスカルいつまでも元気で暮らせよ。
さよなら、オスカー・・・。
さよなら、アリス・・・。
みんないつまでも元気で・・・僕も元気でがんばります・・・。

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