2000年3月の1本

「 卒 業 」

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2月の1本の「レベッカ」は、いかがでしたか?
お楽しみ頂けましたか?

今月3月は、季節柄?ダスティン・ホフマン、キャサリン・ロスの青春映画の名作「卒業」を選んでみました。
劇中に流れるサイモン&ガーファンクルの音楽も、とても素敵な作品です。

どうぞ、ゆっくりお楽しみ下さい。

「 卒 業 」(THE GRADUATE)
1967年 107分 監督 マイク・ニコルズ
出演者 ダスティン・ホフマン、キャサリン・ロス、アン・バンクロフト
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大学を優等で出たばかりのベンことベンジャミン ・ブラドック は、これからの自分の将来の事で悩んでいた。
家で開かれた卒業祝いのパーティに来ていたミセス・ロビンソンに家まで送ってくれるように頼まれ、送って行くが、言葉巧みに誘惑され次に会う約束をしてしまう。
ホテルで密会することになったベンとミセス・ロビンソン・・・。
ミセス・ロビンソンには夫と大学に通っている娘エレーンがいた。
将来の不安から逃れるようにミセス・ロビンソンとの情事に溺れるベン・・・。
一方、ベンの両親の意向により、ベンはミセス・ロビンソンの娘エレーンと交際をはじめる。
ベンは、当初全く乗り気ではなく、エレーンに嫌われるようにしたために、エレーンを傷つけてしまう。
やがてエレーンの純粋さに引かれていくベン・・・。
だが、ミセス・ロビンソンからエレーンに会うなと言われる。
いざとなればエレーンにすべてを話すと・・・。
「嘘かどうか試せば。」と言われたベンはエレーンに会いに行きすべてを知られてしまう。
エレーンは傷つき大学に戻るが、ベンは忘れられないでいた。
まだ何も知らない両親にはエレーンと結婚すると告げたベンは、エレーンの大学の近くに下宿する。
だが、エレーンは医学生のカールと付き合っていた。
エレーンの愛を取り戻そうとベンは必死になり、その誠意にエレーンの心も揺れ動くのだった。
だが、エレーンの父が訪ねてきて、「妻と離婚する。もし娘に手を出したら告訴する。」と告げられる。
そんな中、エレーンは大学を退学してしまう。
そして彼女の残したメモには「ベンジャミン、許して下さい。こうするのが一番なのです。父の立腹は分かるでしょう。愛してます。でも、だめです。」と書かれていた。
ミセス ・ロビンソンの嫉妬と策略でカールとの結婚を、 急ぎ取り決めてしまっていたのだった 。
結婚式の行われようとしている教会を、ベンは必死に探し当て駆けつける。
教会のガラス越しに「エレーン!」と叫ぶベン・・・。
ベンに気付いた彼女も、 周りの人たちの醜い顔を見て、思わず「ベン!」と絶叫するのだった。
ベンは、花嫁を略奪し、 十字架でドアを開かないようにして二人で手に手を取って教会から逃げ出す。
そして、通りあわせたバスにベンとエレーンは飛び乗り、 二人を乗せたバスは、未来に向けて走って行くのだった・・・。




「卒業」でした。

この映画も、もう30年以上たっているんですが、いまだに僕の中では新鮮に残っている作品です。
青春映画と言ったら一番に、この「卒業」をあげるほど大好きな作品です。

「卒業」は、第40回アカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞等にノミネートされ、マイク・ニコルズが監督賞を受賞しました。
平凡な中流家庭の青年の、非凡な?青春を描いた作品ですが、ダスティン・ホフマンにとっても出世作となった作品です。
ストーリーは単純ながら、その映像的センスは、当時、目を見張るものがありました。
結構、くすぐるような表現もいろいろあって楽しめる作品です。

そして何と言ってもこの作品は、サイモンとガーファンクルの音楽なしには語れないでしょう。
出だしの「サウンド・オブ・サイレンス」から、テーマ曲にもなっている新作の小気味良いリズムの「ミセス・ロビンソン」・・・また、「4月になれば彼女は」と「スカボロー・フェア/詠唱」の使われ方は画面とのマッチが最高でした。
「ミセス・ロビンソン」も編曲を変えてうまく使われていました。
ここまで映画と音楽がマッチしている作品もあまりないと思います。

「S&GとPPMのお話」へ

ベン役のダスティン・ホフマンはこの作品に出演後は、「ジョンとメリー」、「真夜中のカーボーイ」、「小さな巨人」、「わらの犬」、「パピヨン」、「レニー・ブル−ス」、「クレイマー、クレイマー」、「トッツィー」、「レインマン」、「フック」等々数々の作品で現在も大活躍しています。
1979年の「クレイマー、クレイマー」、1988年の「レインマン」で2度のアカデミー主演男優賞を取りました。

エレーン役のキャサリン・ロスは、「歌え!ドミニク」、「明日に向かって撃て!」、「夕陽に向かって走れ」等に出演し、その清楚な雰囲気でアイドル的存在でファン投票も長い間、トップクラスにいました。

ミセス・ロビンソン役のアン・バンクロフトは、3重苦のヘレン・ケラーを描いた感動作「奇跡の人」の舞台で認められ、それを映画化した1962年の同作品で同じサリバン教師役を熱演して第35回アカデミー主演女優賞を取り、その後「愛と喝采の日々」、「エレファント・マン」、「アグネス」、「トーチソング・トリロジー」等に出演した名女優です。

監督のマイク・ニコルズは、この作品で第40回アカデミー監督賞を受賞し、「バージニア・ウルフなんかこわくない」、「愛の狩人」、「キャッチ22」、「イルカの日」等々、最近でも「ブルースが聞こえる」、「ワーキング・ガール」、「心みだれて」、「心の旅」等を監督しています。

また、若い頃のリチャード・ドレイファスもチョコっと出演しています。

「卒業」ミュージック・ナンバー

01.サウンド・オブ・サイレンス(THE SOUND OF SILENCE)
02. * シングルマン・パーティー (THE SINGLEMAN'S PARTY FOXTROT)
03.ミセス・ロビンソン (MRS.ROBINSON (INSTRUMENTAL) )
04. * サンボーチ・チャチャチャ (SUNPORCH CHA-CHA)
05.スカボロー・フェア/詠唱 (SCARBOROUGH FAIR/CANTICLE )
06. * オン・ザ・ストリップ (ON THE STRIP)
07.4月になれば彼女は (APRIL COME SHE WILL )
08. * ザ・フォークス (THE FOLKS)
09.スカボロー・フェア/詠唱 (SCARBOROUGH FAIR/CANTICLE )
10. * ア・グレート・エフェクト (THE GREAT EFFECT)
11.プレジャー・マシーン (THE BIG BRIGHT GREEN PLESURE MACHINE)
12. * 驚き (WHEW)
13.ミセス・ロビンソン (MRS.ROBINSON )
14.サウンド・オブ・サイレンス(THE SOUND OF SILENCE)

*はデイブ・グルーシンの映画音楽

Music and Lyrics by Paul SImon



青春映画の名作「卒業」でした。

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3月の1本の「卒業」は、いかがでしたか?
「卒業」と言う言葉にも、人それぞれにいろいろな意味があると思います。
あなたにとっての「卒業」と言う言葉は・・・??

それでは、次回の作品をお楽しみに・・・。

 

 


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