1999年8月の1本

「サイコ」

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7月の1本の「ティファニーで朝食を」は、いかがでしたか?
オシャレなヘップバーンの魅力全開という感じでしたが、お楽しみ頂けましたか?

今月の8月は、この8月13日が生誕100年にあたるアルフレッド・ヒッチコック監督の作品を取り上げてみることにしました。
でも、どの作品にするか?
ヒッチコックの作品には良いのがたくさんある過ぎるんです。
またまた、迷ったあげく、異常心理をテーマにした「サイコ」にしました。
最近、ヒッチコックの名作「ダイヤルM」がリメイクがされて、この「サイコ」もリメイクされたと聞いたので、それを見る前にと取り上げてみました

蒸し暑い夏には、こんなサスペンスを見るのも良いのでは・・・?
モノクロの古い作品ですが、僕もお勧めの大傑作です。

「サイコ」(PSYCHO)
1960年 108分 監督 アルフレッド・ヒッチコック
出演者 アンソニー・パーキンズ、ジャネット・リー、ジョン・ギャビン、ベラ・マイルズ
アリゾナ州フェニックス
12月11日金曜日
午後2時43分
ホテルの一室で、妻子あるサムとつかの間の逢瀬を重ねるマリオン。
彼女は会社の4万ドルの金を横領して、サムとの新しい生活を夢見て車で逃走する。
途中で大雨になり、青年ノーマンが管理するさびれたベイツ・モーテルに投宿する。
剥製が好きだという優しそうなノーマン・・・だが、マリオンがひとりでシャワーを浴びていると、不意にシャワー・カーテン越しにノーマンの母親に襲われて刺殺される。
マリオンの死体を発見したノーマンは、母親の罪を隠すために死体ごと彼女の車を沼に沈めてしまう。
マリオンの行方を探す探偵は、ひとりでモーテルを訪れるが、屋敷に隠れた母親によって殺される。
そしてマリオンの姉ライラとサムは、地元の警官から意外な事実を聞かされる・・・。

この後はビデオを見てからのお楽しみに・・・。

どうしても結末を見たい人は左をクリック!( IEのみ )


アルフレッド・ヒッチコックの「サイコ」は、いかがでしたでしょうか?
「13日の金曜日」に始まって、最近の「スクリーム」など、人が次々と簡単に殺され、血だらけになって死んでいくホラー映画を見慣れてしまっている人には、この「サイコ」を見ても、あまりピンとこないかも知れませんが、見かけの怖さだけでなく、奥に秘めた怖さを感じ取って頂けたらと思います。

「サイコ」は、ヒッチコックものとしては、異質な感じのする作品ですが、新聞の三面記事をもとにしてロバート・ブロックが書いた小説を映画化したものです。
この「サイコ」は、公開当時ラストの30分間、観客の入場を禁止したらしいです。
まだ見ていない人には、ストーリーはあまり書きたくはなかったのですが・・・。

冒頭、上空から街並みを捉え、次第に降下していき、そしてホテルのへの窓へとクローズアップしていく・・・に始まってヒッチコックらしい計算し尽くされたシーンの積み重ね・・・効果的なテーマ曲、そしてハッとさせられる結末・・・。
この作品はサスペンスとして第1級の作品だと思います。

特にこの映画はシャワー・ルームでの殺人・シーンが有名ですね。
モノクロの画面ながら、カメラ・ワーク、カット割りのすごさと、悲鳴とシャワーの音、耳をつんざく音楽、効果音によって見るものに恐怖心を駆り立てます。

また、この映画には「覗き」のシチュエーションが出て来ます。
冒頭のホテルの部屋へクローズアップして行くシーン・・・。
事務室の壁の穴からマリオンの部屋を覗くシーン・・・。
人間の欲望とそれがもたらす悲劇・・・見ているうちに、自分自身の隠されたいろいろな欲望に気づくのでは・・・。

主演のアンソニー・パーキンスも多重人格のノーマン役にピッタリはまっていて、この後もずっとサイコのイメージが彼につきまとっていました。

この作品が作られた23年後に、同じアンソニー・パーキンス主演で、「サイコ2」、「サイコ3」、そして「サイコ4」も作られ、今年ヒッチコック生誕100年と言うこともあって、今回、新たにリメイク版の登場で、改めてヒッチコック監督の偉大さが再認識されています。

そのリメイク版「サイコ」のアメリカのサイトがあるの寄ってみて下さい。

PSYCHOオフィシャル・ページ

このリメイク版「サイコ」は、もちろんまだ見ていないのですが・・・ただ、あまりにも、もとに忠実に作っているために賛否両論だそうですが・・・まぁ間違いなくヒッチコックを超えることはないと思います。

この「サイコ」の他にもヒッチコック監督作品には、名作がたくさんあります。
アカデミー作品賞を取った「レベッカ」、「舞台恐怖症」、「ダイヤルMを廻せ!」、「断崖」、「知りすぎていた男」、「汚名」、「鳥」、「北北西に進路を取れ!」等など、お勧め作品がいっぱいありますので、是非見て下さい。

アルフレッド・ヒッチコック・ベスト5

@ レベッカ
A サイコ
B 裏窓
C めまい
D 北北西に進路を取れ

最後にアカデミー賞の七不思議・・・・ヒッチコック監督は、監督賞にノミネートは5回されたが、監督賞は取ってないんですよね。
1967年にサルバーグ賞と言う功労賞を取っているだけなんです。
誰もが認める名匠なんですが、とても不思議です。
でも、彼の映画に対しての功績の大きさは、アカデミー賞という計りでは計りきれないものだと確信しています。

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8月の1本の「サイコ」は、いかがでしたか?
まだ見てない方は、是非見て下さいね。

それでは、次回の作品をお楽しみに・・・。

 

 


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